●雪の中
昨日、最初から観ようと思っていたのですが
間に合いませんでした。サッカー。
厳しい寒さの中でしたが、見事勝利で終えてなによりでしたね。
FW大久保嘉人(25=神戸)が、岡田ジャパンを救った。日本代表は、10年W杯南アフリカ大会への第一歩となる試合で、格下のタイ相手に失点するなど大苦戦。しかし、後半9分に大久保が右足で値千金の勝ち越しゴールを決め、4−1の勝利に導いた。前回のW杯ドイツ大会で代表から落選した男が、4大会連続4度目のW杯出場を目指す日本の船出を飾った。同じ組ではバーレーンがオマーンを1−0で破り、日本は得失点差で予選2組1位発進となった。
本能で足を前に出した。1−1の後半9分。大久保は右足を思い切りゴールへ伸ばした。左サイドを山瀬が突破し、1度はDFにはじかれたボールが中村憲を経由してゴール前へ。右足アウトで放ったシュートは、タイゴールへと吸い込まれた。気温0度。雨から雪へと変わり、寒さと、ふがいない試合内容で静寂に包まれたスタンドを大歓声に変えた。
大久保 あれはごっつぁんです。ゴール前がガチャガチャっと(混戦と)なってて、万が一(ボールが来る)と思って行った。リードできて楽になった。大事な試合やし、良かったよ。
忠実に指示を守った。前半は攻撃が停滞。ハーフタイムに岡田監督から「お前は(ゴール前に)残ってろ。お前がサイドに流れたら、誰が点を取るんや」と言われていた。前半21分にはドリブル突破から相手の反則を誘発し、先制点となった遠藤のFK弾を演出。試合開始から後半途中にかけ、攻めあぐねた苦しい時間帯に生み出した2点だからこそ価値があった。
公約通りの1発だ。試合前、携帯に友人から「決めろよ」とメールが届き「分かった。頑張るよ」と返信した。前日5日にも「点を取る。大事な試合やから」と宣言。前回ドイツ大会のW杯予選は、既に最終予選進出が決定し、消化試合だった04年11月17日1次予選シンガポール戦(埼玉)だけに出場した。初めて臨む真剣勝負の舞台で、あえて自分に重圧をかけてピッチへと向かった。
決して万全ではなかった。昨年12月下旬に右ひざの手術を受けた。周囲には一切、漏らさなかった。痛みを隠して練習を続けてきた。「だいぶ自分を追い込んだよ。勢いだけでやってきた」。決戦4日前となった2日に炎症が再発。ドクターストップがかかり練習を欠席した。仲間が調整を続けている2時間半、ホテルの自室でテレビを見ていたが、映像は頭には入らなかった。「練習がしたい。何でこんな大事な時期に…」。イライラが募っていた。
前回W杯では、所属のマジョルカで定位置をつかめず、代表入りを逃した。悔しさを胸に刻み、最高の形で10年W杯への1歩をしるした。この日もFW−トップ下と柔軟なポジション変化にも対応。国際Aマッチ3得点目は、11年ぶりにW杯予選に臨んだ岡田監督を、そして日本を救う貴重なゴールだった。
大久保 褒めなくてもいいっすよ。まだまだ先は長い。次(の試合)もすぐに来るからね。
夢にまで見たW杯へ、思いのすべてを込めて臨んだ一戦で結果は出した。だが満足はしない。南アフリカの舞台に立つまで、最高の笑顔はとっておく。【益子浩一】


