●怪物
新しい怪物にの登場ですか。
いや〜凄いですよね。中田選手、体が高校生ではないですよね。
紛れもなく怪物だ。12球団がキャンプインした1日、日本ハム高校生ドラフト1巡目の中田翔内野手(18)が、圧巻の柵越えショーを見せた。初のフリー打撃で36スイングで13本。6連発あり、スコアボード直撃あり、砂浜に落ちる場外弾あり。目撃したエースのダルビッシュ有投手(21)は、思わず「えぐいな」とうなった。規格外のパワーが周囲を巻き込んだ「中田SHOW」。打ち終えた時には、観衆から拍手が起きた。
フリー打撃終了と同時にわき起こったファンの拍手が、スタンド全体に広がる。主役は怪物・中田翔だった。規格外のパワーが、見ている人すべてに興奮を与えた。
「(拍手が)後々自分にだったと分かってうれしくなったっす。最後の方は体が崩れながらでも(スタンドに)持っていけた。(バットの)ちゃんとしたところで、とらえられるようになってきた」。初のフリー打撃が飛ばしの本能を目覚めさせた。わき起こった拍手は、見る者に強烈なインパクトを与えた証しだった。
赤い手袋と赤黒の自打球防御のレガーズをつけて打席に入ったのが“開演”の合図。球場内の視線を一身に集めた初球はボテボテの一ゴロ。「緊張した。打ち急いでしまった」という中田はさらに、2球目を空振りした。「泣きそうになったっす」と冷や汗をかいた。
だがこれも“演出”に過ぎなかった。
打撃ケージの後ろで見守った平野打撃コーチから「いい振りしているから何も考えなくていい」というアドバイスで落ち着きを取り戻すと、12スイング目で初アーチ。さらに後半は、東シナ海に放り込む170メートル弾とはいかなかったものの、左中間の防球ネットを越えてワンバウンドで砂浜まで到達する140メートル場外弾。さらに27スイング目から6連発だ。スコアボードのメンバー表部分を直撃する140メートル弾も飛び出した。「ホッとしています。今日はセンター方向の打球が伸びてくれた」とほおを緩めた。
中田見たさに、選手も集まった。ダルビッシュはファンにサインをしている最中に中田フリー打撃の一報を聞くと、急ぎ三塁側ダッグアウトに駆け付けた。「すごいな。打球が速い」と驚嘆し、本人には「えぐいな」とダル流の賛辞を贈った。梨田監督も絶賛だ。「ボディーターンに柔軟性がある。体全体で振り切っている。(過去に日本ハムに所属した)ソレイタに似ている」と4年で155発を放った助っ人の名前を口にした。平野打撃コーチも「打球がなかなか落ちてこない。ブライアントみたい」と、出てくる例えはすべて外国人だった。梨田監督は10日に行われる名護での阪神との練習試合で「3、4、5番を打つ可能性がある」と抜てきの可能性も示唆した。
今後の課題は実戦での適応能力。「変化球が入ってくるのでそれに対応できるようにしたい。1日1日が大切になってくる」。プロ野球人生初日をド派手に飾った怪物は、すでに“第2幕”を見据えている。【本間翼】
[2008年2月2日9時38分 紙面から]


