2008年05月14日

●失速?

少し失速している感じがしないでもない阪神。
でも、兄貴がこんな間は大丈夫!!



降りしきる雨を切り裂いた。右翼席のまばらな観客の間へ、打球が落ちる。8点差の9回。阪神の負けはほぼ決まっていた。それでも、金本の姿勢は変わらない。初球の直球に、渾身(こんしん)の一振りをたたきつけた。鉄人の記念すべき400本目の本塁打は、富山の夜空の下で生まれた。

 伏し目がちにダイヤモンドを走り、本塁でお祝いの花束を受け取った。「狙ってないよ。でも、富山のファンが最後まで期待しとったからな」。チームが惨敗では笑えない。淡々とした表情のまま、足早にバスへ乗り込んだ。

 400本塁打は、2千本安打よりも楽しみにしていた記録だった。理由は「達成した人数が少ないから」。自分が37人目だった2千本安打に比べ、14人しか到達していない記録には、往年の強打者の名がずらり。180センチの体は、プロ野球選手として特に大きいわけではない。しかし、厳しい内角攻めにも腰を引かず、右足を踏み込んでいく勇気を持っているから、金本はこの偉大な列に加われた。

 7日の巨人戦。木佐貫の直球を頭に受けた。しばらく倒れて動けなかった。立ち上がってベンチへ戻る。そして言った。「おれ、頭はげてない?」。凍りついていたベンチが笑いで包まれた。

 言葉で、背中で、バットでチームを引っ張る。400号本塁打は、最後まで勝負を捨てない気持ちの表れ。チームリーダーが示した意地だった。(野村周平)

 ●岡田監督(神) 「(金本は)こういう展開やから、ホームランは打たんと思っていた。勝ちゲームだったら良かったのにな」