●オリンピック
オリンピック前に心配な状態ですね。
<巨人1−5中日>◇16日◇札幌ドーム
巨人の大黒柱、上原浩治投手(33)が打たれて、中日に痛い逆転負けを喫した。1−0リードの8回、先発内海が2死一、二塁となった場面で登板したが、1四球に連続二塁打を浴びて逆転を許し、1死も取れず降板した。北京五輪日本代表は当確だが、依然として調子が上がってこない。2位巨人は、北海道シリーズで3位中日に連敗し0・5ゲーム差に迫られた。
天を仰ぐ姿が、痛々しかった。本塁のベースカバーに入った上原の視線の先で、逆転を許す打球が右翼手の頭上を越えていった。1点をリードした8回2死一、二塁からリリーフし、ウッズに四球。そして和田に浴びた逆転二塁打だった。続く中村紀にも左中間への二塁打を打たれ、ジ・エンド。1死も取れず、息詰まる投手戦にピリオドを打ち、敗戦が決まってしまった。
エースの面影はない。直球はシュート回転し、球速のMAXは141キロ。制球力もない。打たれるべくして打たれた右腕に、原監督は「継投ミスという形になったが、最善策の中で1点を守るということだったが…。テツ(内海)には森野まで。ウッズに投げづらそうにしていたし、選択肢は上原だった」と説明した。
確かに守護神クルーンの投入もあったが、上原が中継ぎにいる以上、結果論でしかない。それでも尾花投手コーチは「クルーン投入の考えはあったか? はい。監督が上原ということだったので…」と監督をサポートするはずのコーチが、無責任なコメントを残した。
上原の存在の大きさが、チームの歯車を狂わせ、自分自身の調整も狂わしている。先発調整に徹するはずが、リリーバーとして五輪メンバーに当確。自分の意思をはっきりと示せなかった上原にも非はあるが、ここまで迷惑をかけたチームへの思いと、五輪出場への思いが交錯し、調子の上がらない焦りが調整を狂わせていた。
殺到する報道陣に「申し訳ない。それだけです」と話すのがやっとだった。原監督は「下? 今は考えてない。起用法を変える? 先発に戻すということはない。どこで使うかは企業秘密だけど」。ペナントの巻き返しへの切り札となる“上原復活”のキーワードは、まだまだ見えてこない。【小島信行】
[2008年7月17日8時51分 紙面から]


