●このまま
何も言うことはないですね・・・。このまま行くでしょう。
<横浜7−8阪神>◇6日◇横浜
阪神金本知憲外野手(40)の逆転2ランで6連勝、両リーグ最速で50勝に到達した。3点を追う9回も2死一塁と横浜に追い詰められたが、そこから関本、新井が連続適時二塁打で1点差。最高のおぜん立てに、アニキが大逆転ドラマを完結させた。2位中日とも11・5ゲーム差と独走状態はさらに加速し、8日の巨人戦(甲子園)に勝てば、クライマックスシリーズ(CS)進出マジック55が早くも点灯する。
チームが持つ大きな力に、金本でさえも震えた。流し打った打球は左翼のスタンドに吸い込まれる。どよめきが止まらない。ダイヤモンドを回りながら、珍しい行動を取った。三塁ベースを蹴ったとき、仲間のいるベンチに右手でガッツポーズ。「うれしかった…。展開が展開だったから、自然とそうなった」。3点差をひっくり返す最終回のミラクル劇は、主砲の逆転2ランで完結。考えられない展開に、思わず感情をあらわにした。
破竹の快進撃も止まったかに見えた。8回裏にウィリアムスがまさかの3失点。最終回の攻撃も2死一塁で誰もが連勝ストップを覚悟した。そんな中、打席に立つ選手は違った。関本、新井の連続二塁打で1点差に迫る。必死でつないだバトンをアニキが無駄にするはずがない。守護神・寺原の2球目は外角低めへの152キロの直球だった。迷わず振り抜くと、打球は左翼フェンスを越えていった。
金本 回ってくる確信はなかったが、「新井さん」が打ったので、何とか打ちたい気持ちだった。外が頭にあった。ちゃんと芯に乗った感覚。行くかな、と。
チームワークを何よりも大事にする男は、勝利の持つ力を知っている。この日は打たれた渡辺やウィリアムスを思いやった。「リリーフ陣が救われた、と思ってくれたら、うれしい」と気配りをみせる。日頃から中継ぎ陣の奮闘に感謝しているからだ。「どんな状況でも1点でも多く取りたい。ここ数年はJFKに頼りっぱなしだったから」と本音を明かしたことがある。このまま負けていたら、後味の悪いまま次戦まで過ごすはめになる。その状況を一振りで救った。
この劇的なドラマは今季の戦いぶりを象徴していた。今季24度目の逆転勝ちで、両リーグ最速の50勝に到達した。白星の半数が不利な展開をはねのけてのものだ。岡田監督は「誰が見ても流れが悪かった。後ろに後ろにつなごうと、あきらめずにやった結果。もう言いようがない…」と驚くばかりだった。最後まであきらめない−、高校野球のような戦いができるのも、阪神の強みだ。
7月に入ってからは負けなしの6連勝。これで貯金は「27」。8日からは本拠地で巨人3連戦が待っている。ヒーローインタビューで金本は力強く宣言した。「7月が勝負。次は巨人と当たるので、倒したい」。どれだけ勝っても、猛虎は白星に飢えている。【田口真一郎】
[2008年7月7日9時21分 紙面から]


